9月27日にヨコハマプロジェクトのオンラインイベント、ツナガリウィークエンドで開催された海外トークイベント「知っていますか?きょうだいの気持ち」
ピンク、アイスクリーム、子ども、Instagram、投稿

アメリカ国内のみならず世界で著名なダウン症候群の専門医ブライアン・スコトコ医師による、保護者・支援者のための「きょうだい講座」。

ご視聴くださった方もいらっしゃると思いますし、スコトコ医師の本をお読みになった方もいると思いますが、今更ですが当日のまとめをこちらにも記載しておこうと思います。


はじめに
当日は、同時通訳の音声をメモしながら視聴したので、聞き落としや理解不足な部分もあるかと思います。(英文との照合が不可能ですのでご了承ください。)
また、実際の講演メモは膨大な量となるとともに、100%確実とは言えないこともあり、一部のみ掲載します。


講演会の形
ブライアン・スコトコ医師の研究結果をスコトコ医師とソーシャルワーカーのスーザン・レヴァイン氏により解説していく形で行われました。
「きょうだい」から出てきた質問に対して保護者・支援者がどのようにその質問を捉えるか、どのように対応するのが良いのか、という形で進んでいき、Q&Aでは参加者の(日本の)質問にも答えていただきました。

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きょうだいの気持ちを考える上で留意すること

◆「きょうだい」の気持ちを考えていくに当たり、ダウン症のある子どもの兄弟であるなしに関わらず健常同士の兄弟間でもその関係性においては、プラス感情もマイナス感情も存在するものであるということを念頭に置いておく必要がある。
必ずしもダウン症のある子どもの「きょうだい」だから、とは限らない部分もある 
◆きょうだいの関係は、最も親密で最も長きにわたる関係である。
きょうだいがその環境を選べないだけに、それは小さなラボ(研究室)のように、(保護者や支援者が)学ぶべき事柄が存在する例えば、共有・社交的スキル・競い合うこと・そして何かを見習うスキルや問題解決など。


◆きょうだいの気持ちは、それぞれその家族環境によっても差が出てくる例えば、家族サイズ、生まれた順番、きょうだいとの年齢差、そして性別など。きょうだいが多いより、2人だけのきょうだいの方が当然兄弟間の密度が濃くなる。


オーストラリアにおいて調査した結果

ダウン症のある子どもが兄弟にいる子どもたちは、いない子どもたちの兄弟と比べて、他者とそれほど対立しない、思いやりのある子どもの傾向があり、統計的に見てもダウン症のある子どものきょうだいであることの統計的なマイナスインパクトは見られなかった。



『自分たちを分析したかった』
ブライアン・スコトコ先生がこの研究を始めた理由は、ご自身が「きょうだい」だったから。
二人いる妹さんのうち一人がダウン症候群を持っています。


ここから本題

研究結果のデータ

◆12歳以上の95%がダウン症のある兄弟のことを「好き」だと考えている。
◆9~11歳のきょうだいの87%が、ダウン症のある兄弟のことを誇りに思っている。
◆9歳から11歳のきょうだいは、ダウン症のある兄弟のことを残念に思っている。
◆12歳以上のきょうだいの4%がダウン症の兄弟を取り替えられたらいいのにと考えている。




【きょうだい児から得た質問】について

まず、質問を受けたとき、周りの人間(保護者・医療関係者等)は、その質問がどのような背景で生まれた質問なのか、よく考える必要がある。
質問をしてくるきょうだいが子供の場合、その根源的な問題をうまく表現できていないことがある。

(筆者注)子どもが口にする質問に対して、表面的に答えるのではなく、その内側に潜む感情や疑問、背景をよく考えてから答えるように、と何度もおっしゃっていました。


きょうだいから出た質問の例

〈医学上の疑問〉
Q.「ダウン症のある人達の顔はなぜ、ちょっと変わっているの?」
例えば、このような質問が来たとき、回答する前に、もっと情報がいるかどうか自問してみてほしい。なぜ、そのような質問をしたか、なぜそう思うのか、を聞き出すしつつ答える必要がある。


〈教育上の疑問〉
Q.私の妹は特別学校に行かなくてはならないですか?
→この質問には、きょうだいがダウン症のある兄弟に対して、「ゆっくりと基本的なスキルを学ぶため行った方がいいのかもしれない」など、親が考えるような判断を考えていることを示している
この場合、ただ「行く、行かない」ではなく、「きょうだいと同じように両親も考えているよ」ということを伝える必要がある。

Q.ダウン症がある人達がわたしたちとは違う話し方をするのはなぜ?
ダウン症のある子どもはしゃべることが不得意なこともあり、きょうだいが「通訳的な役目」を担うことも多い。きょうだい本人がその役目を好きか嫌いかは別として、ダウン症のある子どもの養護者となっている、ということを示している

Q.ダウン症のある人達は醜いですか?
このような質問が出てくるのは、きょうだいがダウン症のあるきょうだいを恥ずかしく思っているのかもしれない。
なので、その質問が出てきた背景を深く聞いてみる、その意味を考える必要がある。
どのような質問にも、「重要ではない」とは考えない事が大事。


〈家族生活について-研究結果から〉

◆9歳から11歳のきょうだいの14%がダウン症のあるきょうだいがもっとお手伝いをすべきだと考えている。
→お手伝いについては、親はもっと耳を傾けるべき。

◆12歳以上のきょうだいの12%がきょうだいと自分に対する両親の注目度が同じではない、と感じている。
→どの子に対しても、同じ時間を持つことが大事。子どもにどうしてほしいか聞いてみる。
◆12歳以上のきょうだいの88%がダウン症について両親へ尋ねることに気まずさを感じていない。ひいきについてはTIMEの記事を参照しながら説明されていました。
「えこひいきはその理由に弁護の余地があれば納得しやすい。
たとえ、最も寛大な(気持ちがある)きょうだいであったとしても健康であるなしに関わらず、ある時点で自分たちが親に関わってもらうのが当然だと感じ始めるだろう。
このような状況についてオープンに語ることが、憤りを抑えるために最善かつ直接的な方法となる。調査によると、扱いに差があったとしても子供たちがその理由を理解したときにはマイナスの影響はないと指摘している。」


〈否定的な気持ちに関する疑問〉
Q.ダウン症のある弟は人前で大喧嘩をしますか?
→「わかるよ」ときょうだいに気持ちに寄り添う。

Q.弟はなぜ、あれほどTV映画に執着するのですか?
ダウン症のある子どもはTV好きで同じ番組を何度も視聴することがある。きょうだいはそれに次第に苛ついたりする。(筆者注:自分は他の番組が見たいから。)
そういう場合、ダウン症のある子に対して福祉サポートを使うなどして、TVとは別方面からアプローチするという手もある。
また、きょうだいがなぜその疑問を持つか、理由を探る。
きょうだいにとっては、なぜイラつくかなどを話そうとすることによって、コミュニケーションスキルがアップするかもしれない。

Q.弟はなぜ自分のおもちゃではなく、新品のおもちゃばかりを愛するのですか? など
個人にはパーソナルスペースが必要だけど、ダウン症のある子どもはそこが理解しにくい。
その結果、きょうだいのおもちゃに手を出したりする。
こういった場合は、家庭内でのコミュニケーションが大事になる。

Q.妹には時々、困らされています。
→このような疑問は、完璧に解決しなくてよい。なぜそのような疑問が出たかを考える。
また、きょうだいがそう感じることに罪悪感を感じさせないようにする

〈社会的生活-研究結果から〉
◆9歳から11歳のきょうだいの61%がきょうだいがからかわれることを心配している。
◆12歳以上のきょうだいの89%が友人はダウン症のあるきょうだいを快く受け入れていると思っている。
◆12歳以上のきょうだいの7%が、ダウン症のあるきょうだいを恥ずかしいと思っている。
◆12歳以上のきょうだいの5%が、社会生活の悪化を感じている。


〈人生の教訓-研究結果から〉
◆重要なのは、きょうだいにダウン症について早く知らせること。
◆ネガティブな気持ちを吐き出させること。
◆兄弟たちが経験するかもしれない困難な状況があることを(保護者が)受け入れる。
◆きょうだいが世話をすることの責任を制限する。

きょうだいが責任や重圧を感じさせないようにする
例えば、すべての子どもが「同じお手伝い」をしなくてもいいけど、ダウン症のある子を過保護にはしない。彼らのできることで家族に貢献するようにする。



【親としてできること】
◆きょうだい向けの支援にアクセスする。
◆親も十分なサポートを受けることが大事



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長くなってしまったので、視聴者からの質問はまた後日掲載します。


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