長男が通っていた児童発達センターで教えていただいたことをご紹介しますね。
ことばが出てくるため必要な3つの要素
ゆっくり育つとわかっていても、「いつ話し出すのかな?」「本当に話せるようになるのかな?」というのは、不安な要素のひとつですよね。
ことばが出てくるためには、いくつかの要素が必要になると、息子が通っていた児童発達支援センターで教わりました。
それが ・聴覚的要素、・口腔的要素、・コミュニケーション能力 だそうです。
これらの要素に特に問題が無いようでしたら、大丈夫、お子さんはもう少ししたらおしゃべりするようになります。逆に何か不安要素があるようでしたら、主治医の先生などにご相談して早めの対応をしてあげるのが良いと思います。
「 (あんなに心配したのに) 話しだしたらとてもおしゃべりさんだった。」というのは、
ダウン症あるあるエピソードです。
口腔的要素
ダウン症候群の場合、低筋緊張という体質もあるので口の周りや口の中の動きも鈍いお子さんが多いです。
ですが、成長するにつれてお口周りの筋力もついてくれば発語に繋がります。
ダウン症のある人のことばは不明瞭だ、と言われることがあります。
ST(言語聴覚士)の先生から伺った理由としては、
というようなことも一因のようです。(舌の動きも歯並びに影響を与えるそうです)
将来のために気をつけられる第一歩は…
離乳食をあせらない
子どもの発達に合わせた食形態で進めることで、「しっかり噛む」習慣が付きます。
離乳食の進め方も発語や将来の滑舌にも影響してくるなんて、ちょっとびっくりですね。
追記:先日(2021/7/11)開催された口腔フォーラムでも離乳食の大切さは強調されていましたよ!
聴覚的要素
耳が聞こえていないと、聞いたことばをマネして発することは難しくなります。
ダウン症をもって生まれた赤ちゃんの場合、難聴である確率が40%~80%とのデータがあるそうです。*1
そこで、現在ではかなり早い段階で聴覚の検査が行われていると思います。
また、先天的な原因とともに、滲出性中耳炎もダウン症のある子どもに多い要因です。
滲出性中耳炎は、防ぐことができるので注意していきたいですね。
気をつけてほしいのは、赤ちゃんの段階での検査なので、お子さんの発育に伴って聴力も改善、発達していく可能性がある、ということです。
*1.「ダウン症児の聴覚障害」 より引用
https://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1982/s5707035.pdf
コミュニケーション能力
生まれてから直ぐは、「泣いて」赤ちゃんは自分の要求を訴えます。
そのあたりは、毎日泣き声を聞いているとなんとなく「あ、お腹がすいたな」とか「なんか機嫌悪いな」とかわかるようになりますよね。
赤ちゃんが、自分が何かを発信したら(泣いたら)、「誰かがそれに応えてくれる」ということに気付いたら、それはコミュニケーションしている、というです。
最近ではベビーサインのお教室もポピュラーになってきています。
発語がなくても、サイン(ジェスチャー)で意思を伝えられれば、それは立派なコミュニケーションです。
頭の中で考える意識、概念みたいなことを内言語といいます。
周りの他者と交わすことば(発語)は、これに対して外言語といいますが、発語に至るには、その何倍もの内言語が育っています。
ちょうど上の図の氷河のような感じで、水面から出ているわずかの氷の部分が外言語で、水面下にはもっと大きな氷(内言語)がある、ということです。
日々の生活の中で、何かしらコミュニケーションが取れていれば、大丈夫、内言語が育っている、ということです。時期が来れば発語に至るでしょう。
息子が1歳になるかならないかの頃のエピソードです
PTの療育の時。
いくつかのおもちゃを示して長男の反応を見ていた時に、先生が長男の顔を見て、「ちょっと興味があることには唇が少し上がるね。」と言いました。
そんな微細な表情の変化、全く気にはしていませんでした。
目から鱗!
手を出すとか、声を出すとか、そんなことの前に、長男は微妙な心の変化を表情で表していたのです。
長男からの発信。
それに気付いてあげること、それがコミュニケーションの始まりだと教わりました。